クラウドでは、ネットワーク転送量について課金されることが一般的です。
クラウド登場以前は、「100Mbps共有回線の10Mbpsコミット」など、利用可能なネットワーク帯域の上限に対して課金されることが多くありました。帯域コミットの課金は、利用者の帯域確保と、特定利用者が高帯域のトラフィックを出したときに帯域制限をするためのリスクヘッジの役割を担っています。
一方、大規模な設備投資を行っているクラウドでは、帯域の上限に対して課金されることはほとんどありません。それに代わって登場したのが、ネットワーク転送量についての課金です。ギガ単位の高帯域な回線を用意しているため、特定の利用者が数百Mbps単位の帯域を利用しても全体としての影響はほとんどないため、実際にデータを転送した総量にたいして課金をしようとする考え方です。
ニフクラでも、毎月10TBまでの無料枠を超えた場合は、GB単位での従量課金になっています。
この無料枠の10TBですが、いまいちピンとこないお客様が多いようです。そこで今回は、ネットワーク転送量「10TB」で何ができるのか?ということを考えてみたいと思います。
トラフィックで考えてみる
平均30Mbpsのトラフィックが流れると10TBの転送量になります。
実際のWEBサイトやWEBシステムであれば、アクセスの波が多くあります。一時的に100Mbps以上のトラフィックが発生する場合も、平均すると30Mbpsに収まることが多くあります。

平均30Mbpsで10TB
ニフクラへリプレイスを検討している場合は、既存の運用保守ベンダーに平均トラフィックを確認してみましょう。
参考までに、平均トラフィックと転送量を表にまとめてみました。
平均トラフィック | 1ヶ月の転送量 |
---|---|
5Mbps | 1.7TB |
10Mbps | 3.4TB |
20Mbps | 6.7TB |
30Mbps | 10TB |
50Mbps | 17TB |
100Mbps | 34TB |
ページビューで考えてみる
ページ容量1MBのサイトを想定すると、月間1,000万ページビューのアクセスがあると10TBの転送量になります。
実際には、ブラウザへのキャッシュ設定や圧縮設定などの影響により、10TBの転送量に達するためには、より多くのアクセスが必要になります。
参考までに、ページ容量別に10TBに必要な月間ページビュー数をまとめてみました。
ページ容量 | 10TBに必要な月間PV数 |
---|---|
500KB | 2,000万PV |
1MB | 1,000万PV |
2MB | 500万PV |
5MB | 200万PV |
DVDの容量で考えてみる
DVDをダウンロードしたとすると、2,127枚のダウンロードが可能です。
DVDの容量は1枚4.7GBになっています。
スマホの7GB制限で考えてみる
10TBあれば、1,428台分のスマホを7GB制限にひっかけることが可能です。
また、ソフトバンク社の7GBのパケット通信量の目安を基準にすると、10TBの目安は次のようになります。
利用用途 | 10TBの目安(月) |
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メール送受信(500KB/通) | 20,891,640通 |
ホームページ閲覧(300KB/ページ) | 34,886,040ページ |
動画視聴(4MB/分) | 44,982時間 |
音楽ダウンロード(4MB/曲) | 2,499,000曲 |
上記の利用を、1日あたりの平均に換算すると次のようになります。(30日想定)
利用用途 | 10TBの目安(日) |
---|---|
メール送受信(500KB/通) | 696,388通 |
ホームページ閲覧(300KB/ページ) | 1,162,868ページ |
動画視聴(4MB/分) | 1,500時間 |
音楽ダウンロード(4MB/曲) | 83,300曲 |
まとめ
無料のネットワーク転送量10TBのイメージはつかめたでしょうか?
今回調べてみて、よほどの大規模サイトではない限り、10TBを超過した場合の従量課金を気にする必要がないことがわかりました。
ネットワーク転送量は利用容量に応じた従量課金です。無料枠を超える心配がなければ、サーバ費用を月額固定にすることで、毎月の費用試算が非常に簡単になりますね。